バンコク/タイの天気を考える

こんにちは、ばんばんです。

日本では新海誠監督の「天気の子」が公開され、最初の週末には多くの人が見に行ったというニュースになっていました。タイでは11月に公開されるとのことで、とても待ち遠しいです。

さて、今日は「天気の子」にちなんで天気のお話しです。皆さんは、新聞やテレビでタイの天気予報を観たことはあるでしょうか。

 

2019年7月最終週のバンコク週間天気予報 http://www.tmd.go.thより引用

雨季に入れば、「曇り所により一時雨」という天気が毎日のように並びます。

この天気予報はばんばんの経験上ほぼ当たっているような気がします。仮にばんばんの家では雨が降らなくても、バンコク市内の「どこか」では降った可能性が非常に高いからです。

ということで、タイの天気のメカニズムを調べてみました。

タイの季節

タイの季節は大まかにいうと、雨季と乾季のふたつに分類できますが、乾季の後半(3月から4月頃)は猛烈に暑くなるため、暑気と分類されることもあります。タイは南北に長い国ですので、時期は地方によって若干ずれてきます。

 

2019-7-29 タイ周辺の天気図  http://www.tmd.go.thより引用

雨季(5月から10月頃)

インド洋からのモンスーン(南西の季節風)の影響で雨が多くなり、プーケット等の西海岸は波が高くなる季節です。

経験的には、雨季に入った頃や雨季が終わりに近づいた頃に降雨量が多くなり、中間の時期は比較的安定しています。

ただ、台風や熱帯低気圧が稀に近づいてくることがあり、その数日間は大荒れになることが多いです。

例外的にシャム湾にあるサムイ島あたりは、半島の山に遮られてモンスーンの影響を受けにくいために、この時期はあまり雨が降りません。

したがって、夏のバカンスシーズンは雨季真っ盛りのプーケットを避けた欧米人でかなり賑わうことになります。

乾季(11月〜2月頃)

9月頃になると雨が降る時間が不定期になり、量も多くなっていきます。モンスーンの影響が弱くなると共に、大陸からの冷たい空気が時々南下してくる時期です。

南の暖かく湿った空気と大陸の冷たく乾いた空気が押したり引いたりをすることで、雷雨等の激しい雨が降りやすい状態になります。

夜中の激しい雷雨の翌朝、ひんやりとした青空が広がれば、もう乾季は近いです。

このように大陸からの高気圧に覆われた日は北風が強くなるので、スワンナプーム空港の離着陸が南側(海側)からに変わったりしますね。

みんなが待ち望んだ乾季には稀に大寒波がやってきて、バンコクでも最低気温が20度を切ったり、北部の山では霜が降りるぐらい冷え込むこともあります。

日本で大寒波のニュースを聞いた数日後にバンコクも冷え込むことがありますが、天気図を見ると大陸からの強い高気圧の張り出しがあり、同じ寒波の影響を受けていることがよくわかります。

暑季(3月〜4月頃)

2月も後半に入ると徐々に涼しさが和らいでいき、やがて猛烈に暑い季節がやってきます。

バンコクでは、最低気温が28度くらいで、最高気温も毎日38度くらいまで上がるような厳しい季節です。

2019年の今年は、北部ランパーンで42度を記録するほど暑い年でした。

2019年の気候はどうなのか?

 

2019年の気候のここまでの特徴は暑くて雨が少ないという点にあります。

雨季真っ只中の7月中旬になっても、中部にあるパサックダムの貯水量が5%以下と報道されており、他のダムも軒並み15から30%ぐらいの状況です。

これはなぜ起きているのでしょうか?

これについては諸説あるとは思いますが、太平洋東部の海水温が通常より高くなるエルニーニョ現象と、インド洋東部の海水温が低くなるダイポールモード が発生したことと関係があると考えられます。

エルニーニョ現象が発生すると、太平洋西部(インドシナ半島付近)では海水温が通常より低くなることで上昇気流が発生しにくくなります。

つまり雲の発生が抑えられるために、暑くなり、雨が数なくなるというメカニズムです。

一方のダイポールモードが発生すると、インド洋東部では雨が少なくなり、アフリカ東海岸では雨が多くなります。ジャカルタの知り合いも、今年は雨が少ないと言っていました。

インドネシア付近での下降気流は、大気の南北還流の影響を受けてインドネシアの北側(インドシナ半島付近)で上昇気流を発生させます。

つまり、インドシナ半島では雨が多く降ることになります。あれ?今年は雨が少ないと言ってたじゃないかって?

そうここまでは、昨年後半から今年6月頃に発生していたエルニーニョの影響を受けての高温・少雨と考えられます。

一方のダイポールモードは5月頃から急速に発達し始めたとのことですので、これから雨季の終盤に向けて多雨に変わっていくのではないかとみています(タイの報道では平年並みかやや多いとなっています)。

さあ、どうなるでしょうか。

まとめ

2011年に発生したタイの大洪水の年には、大規模なラニーニャとダイポールモード が同時に発生していたそうです。

この二つは両方ともインドシナ半島に多雨をもたらす現象ですので、論理的には大雨になる可能性がとても高い年であったと言えるわけですね。

日本で勉強しているだけでは分からないことを突き詰めていくのもなかなか楽しいですね。