こんにちは、ばんばんです。
タイでも2021年前半に仮想通貨ブームが巻き起こり、仮想通貨取引をする人の数が大幅に増加しました。
現在のタイの税制では仮想通貨の利益に課税するという法律はあるのですが、計算方法や源泉徴収のやり方がグレー。ばんばんも計算するのはほぼ不可能。
2021年内に明確なガイドラインが出ることを期待していたのですが、2022年正月明けに仮想通貨課税に関する記事がバンコクポストに掲載され、トレーダーの間では少し話題になりましたので、ここで紹介しますね。
タイの仮想通貨税制のおさらい
現在のタイにおける仮想通貨税制について、詳しくは以前書いた記事「タイの仮想通貨税金は15%なのか?」を参照いただきたいのですが、要点だけまとめると以下のような感じです。
- 仮想通貨の利益に対して源泉徴収税15%が徴収される
- 仮想通貨の利益は課税所得に加算し、累進課税の税率表に基づいて納税する
- すでに支払った源泉徴収15%は確定申告時に調整される
法律ではこのように規定されていると理解できるのですが、、、実は計算方法が明確にされておらず仮想通貨税金をきちんと納めている人はほとんどいないと推察される状況が続いています。
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2022年は源泉徴収を始めます!
2021年は特にガイドラインが出なかったなあと思っていたところ、年明け早々1月7日、タイの英字新聞Bangkok Postに
“Crypto tax collection changes considered”という記事が掲載されました。
歳入局が源泉徴収始めますよという話を記事にしたものですが、ポイントを引用しながら読んでいきたいと思います。
The Revenue Department is in talks with digital asset exchanges to enable the latter to collect withholding taxes on cryptocurrency profits.(出典:Bangkok Post)
出だしはこんな感じ。「歳入局は仮想通貨の利益に対する源泉徴収をは始められるよう仮想通貨交換所と会話を始めてます。」
まあ、当然と言えば当然で、まさか今まで会話をしていなかったとしたらびっくりです・・・。
Cryptocurrency buyers currently have a duty to collect the 15% withholding tax from the profit gained by the sellers in every transaction. (出典:Bangkok Post)
「仮想通貨購入者は、売買する毎に、仮想通貨販売者の利益の15%を源泉徴収する責任がある。」
ばんばんもそのように理解しています。まだ誰も源泉徴収していないと思いますが・・・。
購入者とは、、、?仮にばんばんが仮想通貨を売りに出した時にそれを買った人。
取引所は仲介しているだけなので本来は取引所ではないと思うけど、取引所がシステム化して源泉徴収をサポートしますというところに向かっていくのでしょう。
the department would calculate the tax from only profitable transactions, not losses.(出典:Bangkok Post)
「歳入局は、損失の出る取引ではなく、利益の出る取引だけを計算する」
!!?記事の中で疑問点としてもあげられていますが、損失の相殺をさせてもらえないのかという点は大きな疑問です。うーん。
とはいえ、この記事は源泉徴収に絞っての歳入局の話なので、損失の相殺をさせず、多めに源泉徴収するという意味かもしれませんね。損失が出た取引については、確定申告の際にすべてのデータを示して証明できれば相殺しますということかなあ。面倒・・・。
the tax also covers Bitcoin mining transactions and the dividend or interest from cryptocurrency investment. (出典:Bangkok Post)
「マイニングも仮想通貨投資(ステーキング・レンディングのことかな?)による利息も課税対象です。」
はい、ばんばんもそのように理解しています。
the department deployed a data analytics system to examine tax payments from cryptocurrency trading. (出典:Bangkok Post)
「歳入局は仮想通貨取引の税金支払い状況データを分析するシステムを展開しました。」
“Deployed”と過去形になっているので、導入・展開済と理解できるのですが、その前にガイドラインを設定してほしいのですが・・・。みんな歳入局が計算方法を説明するのを待ってます。
とはいえ、導入・展開済なんですね。
If the department finds any irregularity in terms of tax payment, it has the authority to summon the related parties, including financial institutions or trading platforms, to provide information. (出典:Bangkok Post)
「仮に税支払いに関して不規則性/不正を見つけた場合、歳入局は金融機関や取引所を召喚して情報を提供させる権利がある」
はい、ばんばんもそう理解しています。
明確なガイドライがない現段階においては、タイ国内の銀行に送金した段階で課税義務が発生すると考えられており、2021年度は送金しないようにしていました。たぶん、すべての情報が筒抜けだろうなあと思ってたんで。
今回の記事を読むと、2022年の確定申告(2023年1~3月頃)からはやりますよーという意思表示ですね。
現状の課題
この記事の中では、仮想通貨関係者による課題の提起もされていますので、日本語でピックアップしますね。
- 「多くのトレーダーは、歳入局が利益と損失をどう計算するか未だに不明瞭と感じている。多くのトレーダーが短期間の売買を繰り返しているので、トレード毎の利益を追跡するのはとても難しい」
- 「損失は相殺してもらえるのか?」
- 「税金徴収が始まるにあたって、歳入局は利益の計算方法を明確に示す必要があり、そうすればトレーダーも法律に基づいて確実な納税ができるようになる。」
まとめ
この新聞報道後にYoutubeでタイ人の反応を見たところ、「ルールを明確にしてほしい」という真っ当な反応に加えて、「課税反対!」という主張まであったりして、それはそれでびっくりしました。
ばんばんも基本的には仮想通貨取引での利益に対する課税は賛成なので、やり方を明確にして不公平や抜け道がないようなルール、運用方法を策定して欲しいものです。
さあ実際に、2022年内には源泉徴収が始まるのでしょうか?タイの歳入局の腕の見せ所ですね。