こんにちは、ばんばんです。
2021年8月はじめにSRTレッドラインが試験運転を開始し、バンスー中央駅の開業がいよいよ近づいてきました。
バンスー中央駅が開業した際には、現在のフアランポーン駅は廃止され、将来鉄道博物館になると報道されています。
なかには国鉄労働組合が廃止に反対しているとか、一日数本の列車だけフアランポーン発着になるとの話もありますが、駅としての機能が大幅に縮小されることは間違いありません。
コロナで列車の本数が大幅に削減されているとはいえ、中央駅としての機能を備えている今、あらためてフアランポーン駅を訪問してさよならを言ってきました。
フアランポーン駅とは?
タイ国鉄の正式名称はクルンテープ駅もしくはバンコク駅で、フアランポーン駅はローカル的な俗称という扱いになっています。
確かに、駅の中ではフアランポーンの記載は全く見当たりませんね。
では、フアランポーン駅は存在しないかというと、もちろんそんなことはありません。地下鉄MRTの駅名はフアランポーン駅ですし、1893年に開業したパクナム鉄道の始発駅はフアランポーン駅でした。
フアランポーンという言葉の由来は諸説あるようですが、現ラマ4世通りの元になっている通りの名前及び並走する運河の名前はフアランポーンでした。
美しいドーム型の外観はフランクフルト・アム・マイン中央駅をモデルにしているそうです。
おーっ!フランクフルト中央駅なら何度か行ったことがあります。そう言われてみれば、よく似ているような気がします。いやあ、美しい。
フアランポーン駅周辺
フアランポーン駅のロケーションは、地下鉄MRTが開通して便利になったとはいえ、市街地からはちょっと行きにくい場所にあります。
ただ、これを昔のバンコクで考えてみると、、、中心部をぐるりと囲む三重の運河の外側に位置しています。王都を囲む城壁は二つ目の運河沿いにあり、その外側に商人の街である中華街があって、さらにその外側。もう、街の最果てですね。
駅のすぐ横を流れるクルンカセム運河はRiver Cityショッピングセンターのあたりでチャオプラヤ川に合流しますが、その対岸には漁港マハチャイへ向かう鉄道のクロンサン駅がありました(現在は一部区間廃止)。
昔はクロンサンからフアランポーンへと向かうボートが運行されていたのではないかと想像するとワクワクしますね。
タイの上野駅的な存在であるフアランポーン駅周辺では、タイ東北地方の食堂や路上屋台がたくさんあったようです。
近づいてもヨーロッパスタイルの美しい建築物です。
以前は正面玄関からも出入りできたのですが、コロナの影響からか出入り口を1箇所に制限しているため、こちらは閉鎖されてしまっています。
コンコースに入ってみよう
20年前はエアコンなんて効いていませんでしたが、現在はこの大きな空間がギンギンに冷えています。快適快適。
中心広場の両側には店が並んでいます。
左側の一階にはフードコート(下の案内図(6))、右側の一階にはミニマート(16)。二階は両側ともカフェ(14)になっていて、エアコンの効いたレトロな雰囲気でちょっとコーヒーを飲むのも悪くないですね。
プラットホームは1〜12番線まであるようです。
フードコートとカフェ方面。
こちらはチケット売り場。比較的英語が通じるイメージ(もしくは、ばんばんいつもタイ語喋ってるかも・・・)。
以前は当日チケットのみの販売で、予約は奥にある予約専用部屋へ行ってましたが、現在はここで全てOKです。
壁にはタイの近代化、鉄道の建設に尽力したチュラロンコーン王ことラマ5世の肖像画が掲げられています。
今でもチュラロンコーン王記念日(祝日)には、SLの記念列車が運行されています。
プラットホームに入ってみよう
タイ国鉄には改札口がありませんので、誰でもプラットホームに行くことができます。ばんばんもぷらぷらと入ってみましょう。
右側にはその昔ステーションホテルだった建物が残っています。東京駅の東京ステーションホテルのような存在ですね。
将来、ここも綺麗に改装されてコロニアル様式のホテルになれば、人気が出ると思うなあ。
ホームの終端には、タイ語でクルンテープ、英語でバンコクの駅名表示があります。椅子まで準備してあって、ここは撮影ポイントですよ。
見よ、この美しいアーチと圧倒的なスケール。
よく見ると、4番線にちょっと変わった客車が停まってますね。
すごい!展望バルコニーがついています。
よくよく調べてみるとこの車両は日本のブルートレイン14系車両を改造したものだとか。
一般運用されている車両ではないので、初めて見ました。
この車両も日本の香りがプンプン漂っています。14系かなあ24系かなあ・・・。
たくさんの車両が停車していますが、出発を待っているというよりは一時的に留め置かれているという感じです。
コロナで多くの列車が運休となっているため、車両を留め置く場所がいっぱいになっているからだと思われます。
長い長い5番線をホームの端まで歩くと、急に田舎町に来たような風景が広がります。この方向に車両基地と国鉄本社があります。
まとめ
今までここから何度も夜行列車に乗って旅に出ました。チェンマイ、ノンカイ、ウボン、サムイ島、タオ島、ハジャイ・・・。
日本から来た知り合いを駅まで見送りに来たこともあったなあ。
今回、いよいよ廃止が間近に迫ったフアランポーン駅を訪れてみて、今までのここから出発した数々の旅が思い出されてちょっとウルっとしたりしました。
残された時間は長くないけど、ぜひもう一度ここから夜行列車に乗って旅に出たいです(現在は夜間外出禁止令のため夜行列車全便運休中)。
ほんとは、ビール片手に乗りたいけど、現在のタイ国鉄はアルコール厳禁なんですよね。
フアランポーン駅に関係する動画いくつか作成したので、ぜひご覧ください。